鬼畜勇者

鬼畜勇者の異世界召喚 1話 鬼畜勇者 異世界に召喚される

「異世界転生」

それは現代人が異世界に転成・転移し、時にはどん底から成り上り、時には美男美女や権力者と仲良くなり、時にはハーレムを作ったりする冒険談である。

そして彼ら・彼女らが活躍する過程で現代文明が異世界に持ち込まれ、異世界の文明レベルが飛躍的に上がるのである。

彼ら・彼女らは強力なチートを駆使するため、仲良くできればその恩恵を受けられる。敵対勢力と対立させれば、そいつを滅ぼしてくれる。

なんて素敵な伝道者、なんて便利な駒。

だから彼ら・彼女らの転生をどの世界でも心待ちにしており、時には自分たちの都合で呼び寄せたりもする。

そしてまた今日も異世界人が呼び出されようとしていた。

王「大臣よ、本当に異世界人が我が国を救えるのか?」

右大臣「伝承でも異界より来た勇者が魔族を滅ぼし、国を救ったと言われています。必ずやこの危機を救ってくれるでしょう」
左大臣「そうです、きっと失われた領土を取り戻してくれるでしょう」

老人が不安そうな顔をしながら左右の老人に問いかけている。

左右の老人も自身ありげに答えているが内心は不安でしょうがない。

「申し上げます!勇者様が召喚されました。こちらにいらっしゃるとのことです」

召喚成功の報告を受けて謁見場は騒然となった。勇者を迎えるため多くの貴族がその場におり、先ほどまでの静けさが吹き飛ぶほどの喜びが駆け巡った。

これでこの国は救われる!

そして勇者が謁見場に現れた。

王「勇者よ、よくぞ来てくれた。名はなんと申す」

勇者「オレ様の名前は・・・スサノオだ」

王「それでは勇者スサノオよ、魔族を滅ぼし、国を救ってくれ」

先ほどの不安を感じさせないほど、明るく期待を込めて勇者スサノオに頼んだ。

右大臣「1人では何かと不便であろうから、私が素晴らしい戦士を紹介しよう」

左大臣「私からも有能な魔術師を紹介させてもらおう」

勇者の活躍に恩恵を受けようと、両大臣が人員を推薦してくる。

既に10人ほど名前を挙げている。

他の貴族も遅れをとるまいと推薦者を考えている間に勇者スサノオは場の空気を破壊した。

スサノオ「報酬はなんだ」

辺り一面に沈黙が流れる。

王の命令であれば受けるのが当たり前。

報酬を聞くことは、報酬を出さないのではないのかと疑うのと同じこと。

王「報酬は討伐後に相応の物を用意するつもりだ」

不機嫌さを隠しながらも、王は大人の対応をする。

きっと野蛮な異世界人だから礼儀作法を知らないのだろう。

王はマウントをとって心を落ち着かせようとしていたが無駄であった。

スサノオ「つまりわざわざオレ様を呼び出しておきながら、今は何も考えていないから後で渡すと?」

ケチなやつだと吐き捨てる。

「貴様!なんと無礼な!!」

王の近くにいた近衛騎士が肩をいからせ、スサノオに近寄ってくる。

しかし彼は何もできずに吹き飛ばされた。

後ろの貴族を巻き込んで。

スサノオ「この国の兵士は弱いな。こんな雑魚はいくらいても足手まといだ」

先ほど以上の沈黙が場を支配する。

王も貴族も同じ意見を持った。

(とんでもない奴を召喚してしまった)

スサノオ「金と召使いをよこせ。後は適当にやってやる」

スサノオに内心怯えていた王は彼の要求を聞きニヤリと笑みを浮かべた。

所詮、こいつも男。適当な女を与えておけば巧く使いこなせるだろう。

王「良かろう、最高の召使いを用意してやろう」

王が指示すると1人のメイドが金貨袋を持って連れてこられた。

王「どうじゃ、顔もスタイルも良いこやつなら勇者殿も満足するだろう。家事でも夜伽でも好きに使うが良い」

ゲス顔の王が言うように、メイドはバストもヒップもかなり大きいのにウエストは細く、かなり恵まれたスタイルだった。

また顔も無表情で無機質な印象を与えるが、非常に整っている。

スサノオ「わかっているじゃないか。こいつはもらっていく」

スサノオはミコトを連れて城を出て行った。

スサノオはミコトに宿屋を案内させて、部屋をとった。

ミコト「初めまして勇者様、ミコトと申します。身の周りの世話をしますので、何でもお命じください」

スサノオ「それでは何でもしてもらおうか」

スサノオはミコトに何でもしてもらった。

ミコト「まさか本当に何でもさせられるとは思いませんでした。」

ベッドの上で裸のままミコトは恨めしげにスサノオを睨んだ。

ミコトを含め一般人からすれば「何でも」というのは言葉の綾である。

しかしそれが通じなかったわけである。

スサノオ「おまえは「何でも」お命じくださいと言ったろ」

それに初めての割にずいぶん感じてたじゃないか。

ミコトは無言でスサノオを叩いた。

スサノオ「ミコト、体のやけどや古傷な何だ?」

ミコトは叩くのを止めたが、話そうとしなかった。

スサノオ「話したくなければ別に構わん」

スサノオはミコトを抱きしめると、呪文をつぶやいた。

するとミコトの体にあった、やけどや古傷がすっかり消え去った。

ミコト「どうして治したんですか」

驚きを隠すためにあえて尋ねる。

スサノオ「お前はオレ様の物だ。自分の物を大切にするのは当たり前だろう。それから耳も尻尾も魔法で見えなくしてやるから、もう切り落とすな。」

ミコト「・・・あなたの物になった覚えはありません」

スサノオ「それじゃあ、オレ様の物だということを自覚させるために、もう一度何でもしてもらおうか」

再生した膜をもう一度破らなきゃならないからな。

スサノオはミコトの上に覆い被さった。

この物語は鬼畜勇者スサノオの異世界冒険談であり、彼に巻き込まれる人々の物語である。

彼らがどのような運命をたどるのか、誰もわからない。