鬼畜勇者

鬼畜勇者の異世界召喚 5話 鬼畜勇者 冒険者に絡まれる

「冒険者に絡まれる」

冒険者は気性の荒い者が多く、他人に絡むことが多い。

そして多くの異世界人はその場面に遭遇する。

チートな異世界人にただの冒険者が勝てる訳もなくかませ犬となる。

そしてそれがきっかけで、有力貴族や美女との縁を結ぶのである。

ギルドマスターとの面談が終わった後、スサノオ達は宿に戻ることにした。

夕方には早い時間であるが、依頼を受けるには遅い時間であるからだ。

スサノオ「仕事をして稼ぐと気分が良いな」

ミコト「騙し討ちに近い賭けごとで稼いだお金ですけどね」

スサノオ「騙すとは人聞きが悪い。知らないバカが悪いのだ」

ワハハと気分良く笑いながらスサノオは歩いている。

実際にギルドから出る際に睨まれはしたが、それ以上のことはなかった。

スサノオが強いということもあるが、冒険者は賭けで負けても引きずらない。

冒険者の仕事は危険も多く、明日無事でいる保証もない。

だから冒険者が宵越しの金を持つことはまれであり、賭けで負けても明日稼げばそれで良いと考える者が多い。

しかし何事も例外はつきものである。

スサノオ「今日は気分が良いから寄り道するぞ」

スサノオは突然小道に入るとどんどん先に進んでいく。

ミコト「スサノオ様、こちらはあまり治安が良い場所ではないので戻りませんか?」

スサノオ「怖いのかミコト」

スサノオは斜め後ろを歩いていたミコトを自分の横に抱き寄せた。そして抱き寄せた手で尻を撫で始めた。

ミコト「スサノオ様、せめて宿に着いてからにしてください」

どんどん人通りのない小道に進むスサノオにミコトは抗議する

スサノオ「良いじゃないか、減るもんでもないし」

「ほう、なら俺たちも混ぜてくれよ」

スサノオ達の後ろから5人の男が近づいてくる。全員刃物を持っており、道を尋ねてきた訳ではなさそうだ。

スサノオ「お前らのような貧乏人が触れて良い訳ないだろう」

「この人数を見ても同じことが言えるのかよ」

前からも男達がやってきて道を塞いだ。

「馬鹿な男だよな。あれだけ荒稼ぎをしておいて、こんなスラムに来るなんて」

殺してくださいといっているようなもんだ。ガハハハと冒険者達は笑っている。

確かに大金を持ってスラム街に行くなんて、まさにカモネギであろう。

スサノオ「オレ様を馬鹿だと。誘い込まれた間抜けがよく言う」

怯えるミコト落ち着かせながら、スサノオは嘲る。

スサノオ「バカは死なないと治らないのは本当らしいな」

「訓練場で勝ったから調子に乗って、周りが見えていないようだな。男は殺して女は楽しませてもうぜ」

冒険者達は一斉にスサノオに向かっていった。

ケンカは数である。

普通であれば腕っ節が強くても1対3であれば苦戦は免れないし、1対5なら勝てない。

今回のように武器を持った男10人が相手では生きていれば良いくらいだろう。

そう普通であれば。

スサノオ「バインド」

スサノオは敢えて呪文を唱えて魔法を発動させた。

冒険者全員、両腕、両足を拘束されて倒れ込んでいた。走っている最中に突然拘束されたからだろう、受け身をとれずに顔面から地面に突っ込んだ者もいた。

スサノオ「対魔力もほとんどない。ただの粗大ゴミしかいないみたいだな」

周りを見渡してあきれたようにスサノオはつぶやき、リーダーらしき者に近寄る。

スサノオ「でだ。オレ様を殺してミコトに何をするって言ったっけ」

スサノオは倒れた冒険者の頭に足を乗っけると体重をかけ始めた。

「やめろ、俺たちが悪かった。何でもするから命だけは助けてくれ」

ミシミシと頭蓋骨が音を鳴らしそうな圧を受けて、必死で命乞いをする。

スサノオ「そうか、『何でも』するのか」

ミコト「スサノオ様、こいつらに情けは掛けず衛兵に引き渡すべきです」

手慣れた様子からこいつらは初犯ではない。野放しにすればろくなことにならないだろう。

スサノオ「衛兵に引き渡す?そんなもったいないことするわけないだろう」

スサノオは彼らの末路を想像して笑みを浮かべた。

スサノオ「来い、インキュバス」

スサノオが呼ぶと横から若い男性が現れた。

インキュバス「お呼びでしょうか、スサノオ様」

洗練された礼をしてスサノオにひざまずく。細身の体格で甘いマスク。彼を見れば振り向かない女性はいないだろう。

インキュバスとはサキュバスの男性版であり、男を堕とすのがサキュバスであり、女性を堕とすのがインキュバスなのである。

だから彼の容姿が優れているのも当たり前といえば当たり前なのである。

しかし女好きのスサノオがただのインキュバスを召喚する訳がない。

スサノオ「こいつらをお前らにくれてやる。好きにして良いぞ」

スサノオが呼び出したこのインキュバスは男が好きなのである。

インキュバス「よろしいのですか、スサノオ様!」

久しぶりの獲物が与えられたことでインキュバスのテンションが上がっている。

インキュバス「そこそこ鍛えた体で、楽しみがいがありそうですね」

冒険者たちの尻を叩きながら、インキュバスも笑みを浮かべる。

スサノオ「オレ様の目の前で品定めをするな、気持ち悪い」

インキュバス「申し訳ありません。なかなか躾け甲斐のありそうな人間だということで心が躍ってしまいました」

インキュバスは悪びれもなく言い放つ。それを聞いた冒険者たちは絶望のあまり助けを求める。

スサノオ「これは前払いだ。こいつらを持って帰っていいから。いざというときは頼むぞ」

スサノオは冒険者たちのわめき声を心地よく聞きながらその場を去った。

その後、かの冒険者たちを見たものは現れなかった。

ミコト「スサノオ様は彼らにつけられていることに気づいていたのですね」

スサノオ「当たり前だろう。あんな気配も殺気も消せない奴らなんぞ、目をつぶっていてもわかるわ」

スサノオからしてみれば彼らは道端の小石程度の存在でしかない。

今回はミコトも狙われていたので早めに消したが、スサノオだけならそのまま泳がしていただろう。

スサノオ「まったく、冒険者が絡むのは貴族の美女と相場が決まっているだろう」

ミコト「そこをスサノオ様が助けに入って一目惚れさせる訳ですか」

スサノオ「よくわかっているじゃないか」

褒めるように尻を撫で回す。

ミコト「そもそも貴族の人間は護衛がいますから、スサノオ様が出る幕はないですよ。それに助けに行ったらチンピラ側と誤解されますよ」

スサノオ「夢のないことを言うのはこの口か」

ミコトのほっぺたを引っ張る

ミコト「いひゃいです、すひゃのうしゃま」

だんだん楽しくなってきたのか、スサノオはミコトの柔らかい頬を堪能しながら宿まで歩いて行った。

貴族の美女は護衛がついているから比較的安全と言える。しかし一般人の美人は護衛などがついていない。

だからギルドにこんな依頼が張ってある。

「失踪少女の捜索」