ヒカリは世界を滅ぼす力を持ち、聖杯大戦では戦いの余波で古王国イーラを滅ぼしてしまいました。
その力を持つ自分を封印するために、ヒカリは代わりの人格としてホムラを生み出し、長い眠りにつくことになります。
作中ではホムラとヒカリが同一の天の聖杯ということで良く比較されます。本質はよく似ているとレックスは言っていましたが、2人の特徴の一部は対比が強調されています。
その強調された部分に着目すると、「ヒカリは理想の女の子(ブレイド)としてホムラを生み出した」と考えられます。前日談のイーラ編ではヒカリのポンコツなところがより強調されているので、制作陣は対比をより明確にしたかったのだと思います。
今回は天の聖杯として数多のドライバーから渇望されたヒカリがどんな存在になりたかったのか、ホムラとヒカリの対比を通じて考えてみたいと思います。
ホムラは料理が上手、ヒカリは壊滅的
作中ではホムラの料理上手が何度か描写されており、5章ではイヤサキ村でレックスの育ての親であるコルレルおばさんの前で料理を振る舞っています。さらにアイテム作成スキルとして「ホムラの料理」が用意されています。
一方でヒカリの料理の腕は壊滅的です。本編では料理は絶対にしないと宣言していたので、印象に残りにくいですがイーラ編では余すとこなく表現されていました。
ヒカリの料理を食べたアデルとミルトを失神させていますし、他にも大勢の犠牲者が出ています。
イーラ編ではヒカリがクラフトで料理を作ることができますがゲテモノばかり。さらにシンのキズナリング「忍耐力」をレベル2に上げるほどのすさまじさを物語っています。
ここまであからさまに対比されるとヒカリは料理に対して強烈な苦手意識を持っていたと考えることができます。もしかしたら封印されていた500年の間にホムラに注意されていたのかもしれませんね。
余談ですが、オフィシャルアートワークスでは料理のモザイクなし版が出ています。購入した人は確認してみると良いでしょう。
ツンデレなヒカリ、素直なホムラ
ヒカリは照れ屋で素直になれない女の子、いわゆるツンデレです。強く言いすぎてしまうこともあり、誤解されがちですがアデルの言うように根は良い子です。
ヒカリはイーラ編の序盤で世界や人類の行く末に興味がないのにも関わらず、アデルに同行してメツを討伐するために旅をしています。マルベーニから離反したメツとは正反対です。
ヒカリはアデル達と旅をする中で多くの人と交流し、彼らのためにメツを討伐します。彼らのお礼に素直に応じられないヒカリのなりの応え方なのかもしれません。
一方でホムラはまさにヒカリの正反対です。気立てが良く素直です。人の心配を普通にでき、自分の思いを上手に表現できる女の子です。
イーラ編でヒカリが当初周囲から浮いていたのに比べて、ホムラは最初からレックス達とうまくやれています。
レックスの親代わりであったコルレルおばさんからは、レックスの嫁として喜ばれるほどです。もしヒカリだったらどうなっていたことか(笑)
周囲の人間とすぐに溶け込める性格をヒカリは望んでいたのかもしれません。
伝説的な強さのヒカリ、並のホムラ
天の聖杯として誕生したヒカリは様々な能力を持っていました。「因果律予測」「セイレーンの砲撃」などを駆使し、作中のムービーでもキャラクター能力でも圧倒的な力を見せます。
一方でホムラはそれほどでもありません。もちろん並のブレイドよりかは強いのですが、メレフからは「ホムラよりカグツチの炎の方が遙かに強い」と評されるほどです。
またヴァンダムとの戦いでも、レックスが考えなしに攻撃した時にはエーテル供給が間に合わないこともありました。
スペルビアの至宝であるカグツチが強いとしても、天の聖杯よりも遙かに強いと言うのはちょっとおかしいですよね。
このことからヒカリがホムラを生み出すときにブレイドとしての能力を低くしたのではないかと思います。
ヒカリはイーラ編で天の聖杯としての力を遠慮せず使っていましたが、最後のメツとの決戦で力が暴走しイーラを雲海に沈めてしまいました。
それは創造神に自分を消滅を願うほどの後悔だったのでしょう。それほどヒカリは天の聖杯としての力を恐れたのです。こんな力はいらないと。
だからヒカリが生み出したホムラには、ヒカリが嫌悪した天の聖杯の力が備わっていなかったのでしょう。
まとめ ヒカリの理想
これまでヒカリとホムラの対比を見てきました。大きく分けて「料理の腕」「性格」「ブレイドとしての能力」が正反対となっていました。
いずれもヒカリがイーラ編で失敗したシーンがあり、その経験からホムラが作られたのだと思います。
つまりヒカリは料理の腕がよく、素直で優しく、天の聖杯の力がないのが理想の女の子(ブレイド)と考えているのでしょう。
逆に変わっていないところはどちらも根は良い子だということ。スタイル抜群で衣装も際どいところ。他にも結構、共通点があったりするのです。
その共通点はヒカリが気に入っている部分と考えることもできるので、更に考察してみると面白いかもしれません。