スマートフォン・アプリ

ケイオスリングス3 レビュー アプリ史上壮大なストーリー

このブログを作った目的の1つに、メジャーではないけれども面白いゲームを紹介するということがあります。

どんなに制作陣が心血を注いで素晴らしいゲームを作っても、世に埋もれてしまうことは非常に多いです。手に取ってプレイしてもらえないとその良さが伝わらないからです。

広告が打てなくて無名のままで終わるゲームも多いと思います。だからこそ作り手の情熱を感じたゲームを少しでも世間の皆様に知ってもらい、ゲーム作りに情熱を懸ける職人のみなさんを少しでも後押ししたいと思いブログを立ち上げました。

今回紹介するのは過去の名作を彷彿させるような、壮大な世界観・設定を用意し、完璧にストーリーに落とし込んだ傑作「ケイオスリングス3」です。

スマホゲームではこのゲームに歯が立ちません。それどころか並の据え置きゲームですら敵いません。それほどまでに作り込まれていますので、ぜひプレイして欲しいと思います。

アプリゲーム史に残る壮大なストーリー

このゲームの良いところはたくさんありますが、1番と言われるなら私はストーリーをあげます。

壮大でありながらわかりやすい

このゲームはかなり多くの設定が用意されています。多くの設定を用意するゲームは多々ありますが、一歩間違えるとプレイヤーを理解できないまま置き去りにされて、話が進んでしまうことが多々あります。

しかし「ケイオスリングス3」ではしっかりと段階を踏みながらストーリーが進んでいくためわかりやすくなっています。

1章ではどうして主人公が神話の楽園「パラディソス」を目指すのかということから始まり、「パラディソス」があると言われている「マーブルブルー」を冒険するための試験を受けます。

そして戦闘で装備することになる「ジーン」の説明もここでされ、1章では「ケイオスリングス3」がどんな世界なのかを少しずつ理解できるようになっています。

だから自分が何のためにこのマップを進んでいるのか、どうしてこの敵を倒すかということをちゃんと登場人物と同じように考えながらプレイでき、良い意味でちゃんとRPGを堪能できるようになっています。

伏線の張り方が秀逸

「ケイオスリングス3」のストーリーには設定が多く存在しているのは先ほど説明したとおりです。そしてその設定に対する伏線も数多くあり、それが先のストーリーが気になるように張られており、それこそ伏線の張り方の手本と言えるレベルです。

このゲームの最初の最初、主人公が「パラディソス」を目指すよりも前に、プレイヤーは5分ほど「ヨハネ」という老人を操作して先に進みます。

ただの老人であればなんてことはないのですが、この老人は恐ろしく強く、思わせぶりな台詞をつぶやきます。だからプレイヤーはたった5分の間に「この老人は何者なのか?」「さっきつぶやいたマリアイブとは何なのか?」と先が気になるようになるのです。

そしてストーリーを進めていくうちに謎めいた「ヨハネ」「マリアイブ」の正体・目的が判明し、ストーリーに深く関わっていたことがわかるようになっています。

他にも多くの伏線・設定が散りばめられており「大きなクジラ」「スーツ姿の集団」など重要なことを言っていそうな人物が多く現れ、先が気になって仕方なくなっていきます。

勘違いして欲しくないのですが、プレイヤーが知らない・理解できない用語を使って話を進めているという訳でありません。

主人公もプレイヤーと同レベルの知識量なので、プレイヤーが知らないことは、主人公も知らないようになっているので、プレイヤーだけ置いてけぼりと言うことはありません。

もちろん中には疑問に対して煙に巻くように、曖昧にごまかされることもありますが、それも伏線となっており、最後にはわかるようになっています。

もちろん人によっては「そんな思わせぶりにしゃべるな!」と思うかもしれませんが、ストーリーを面白くするためにはありだと思います。

家族愛が裏のキーワード?

この物語の主軸は主人公たちが「パラディソス」を目指して「マーブルブルー」を冒険することですが、もう1つのキーワードとして家族愛が深く表現されています。

「父と子」「母と子」「兄と妹」「夫と妻」「育ての親と子」など様々な家族愛がストーリーと結びついており、この家族愛の演出があったから「パラディソス」を目指す冒険に、重みや深みが出ているのではないかと思います。

そして家族愛だけをストーリーに絡めたからこそ、ストーリーに統一感を出すことができたのだと思います。

もし家族愛を描かなかったらストーリーの終盤はもっと軽い印象になり、凡作となってしまったでしょう。

入手したジーンはもっとレベルが高くてもいいかも

戦闘システムも特徴がよく出ており、アイテムによる救済措置もできていました。またやりこみ要素もあり初心者も上級者も楽しめるようになっています。だからこそジーンのシステムのレベル関連が非常に惜しいです。

戦闘で使用するジーンですがストーリーにも深く関わってきます。このジーンですがペルソナによく似たシステムです。ジーンごとにレベルがあり、ジーンごとに使えるスキルが違います。

合成して新たなジーンを作ることもでき、またスマホゲームのように不要なジーンを使ってレベルを上げることもできます。

おそらく制作陣としてはボスの苦手なスキルを使って有利に進めて欲しいと思っていたのかもしれません。ただジーンを入手し育てるのが大変です。

ペルソナでしたら新しく入手したペルソナはそれなりのレベルで即戦力にできますが、「ケイオスリングス3」のジーンは入手時は基本1レベルからです。

しかもキャラクターにはレベルの概念がなく、ジーンのレベルしかありません。だから新し入手したジーンを装備すると1レベルの非常に弱い状態で戦うことになるのです。

合成したりすれば多少はレベルもあげられますが、即戦力はとてもじゃないですが無理です。実戦で使うにはレベル上げが必要です。

不要なジーンでレベルを上げようにも、そもそもジーンが貴重なので不要なジーンは終盤にならないとありません。

レベル上げ用のクエストもありますが、それを踏まえてもジーンのレベル上げは大変なので、制作陣が意図したたくさんのジーンを使ってボスを攻略することができず、同じジーンを使い続けることが多くなってしまいました。

他には1年間を通してコロシアムで様々なボス達と戦うことができ、びっくりするくらい強いボスも用意されています。ストーリーをクリアしても遊べるようになっているので、やりこもうとしたらジーンの合成から始める必要があり、いくらでも楽しめるようになっています。

ジーンのレベル関連が完璧であれば、ゲームも完璧と言える出来でした。だからこそバランス調整の時間がとれなかったとはいえ本当に惜しいです。

スマホゲームでは上位に入るグラフィック

PSVitaのソフトとしても販売されるほど作り込まれているため、5年近く前の作品にもかかわらず、グラフィックは今遊んでも綺麗です。

他のサイトで見ることができますが、大体PS3~PS2の間くらいです。自分が持っているスマホの性能に合わせてグラフィックの画質を変更することができます。

そのため古い端末でも遊ぶことができ、新しい端末であればかなりの高画質にすることができます。

またスマホゲームでは考えられないくらい綺麗なムービーも入っています。動画サイトにも掲載されているため一度見てみるのも良いかもしれません。

まとめ スマホゲーム史に残る名作です

はっきり言って「ケイオスリングス3」はスマホゲーム史に残るほどの名作です。

ジーンのシステム関連ではかなり悪く書きましたが、それでも戦闘関連は80点をつけても良いくらい出来が良く、ストーリー・グラフィック・音楽など他の要素が良すぎたからこそ、ジーン関連が辛口なのです。

PSVitaでも販売されたこともあり非常に良くできています。それが2,800円で遊べるのはかなり安いです。

逆に言うとこれほどまで丁寧に製作されているにもかかわらず、ここまで値段を下げなければならないことを考慮すると、買い切り型のゲームアプリは間違いなく衰退していくでしょう。

以前はスマートフォンが高性能化していき、ゲームのハードがいらなくなると言われてきましたが、スマホゲームの市場が育たない限り、ゲームのハードはまだまだ必要みたいです。