今回は任天堂スイッチ・3DSで発売されたファイアーエンブレム無双のレビューです。ここではスイッチ版のレビューとなります。
今作はファイアーエンブレムの要素を取り入れ、本家の無双を超えた面白さを実現しています。
目次
ファイアーエンブレムと三國無双を混ぜてみました
ファイアーエンブレムってどんなゲーム?
ファイアーエンブレム(以下FE)と言えば、誰もが知っているシミュレーションの名作。
最近はカジュアルモードも追加されましたが、もともとは仲間のHPが0になれば死亡扱いとなる、きわめてシビアなゲームです。
仲間が死んだらリセットボタンを押した方も多いと思います。また難易度「ルナティック」はあまりの難しさで有名です。
三国無双
三國無双は三国時代の武将となって、戦場で戦うアクションゲームです。このゲームは現実にはありえない敵を薙ぎ倒し、一騎当千の武将として戦場を駆け巡ります。このゲームの面白さは難しく考えなくても楽しめる爽快感です。
水と油のコラボレーション
頭を使って考える、シビアなシミュレーションのFE。一方、初心者がボタンを連打しても楽しめるアクションゲームの三國無双。水と油のような2つを合わせたら絶対に失敗すると予想しました。
それは大きく裏切られ、非常に面白いゲームとなりました。
FEらしい王道のストーリー
FEシリーズのキャラクターが参戦するということで、全員で協力して戦うストーリーとなっています。
原作のキャラクターを個性を重視し、大切にするため、敢えてひねらず、王道のストーリーにしているところに好感を持てます。
またメインのストーリーモード以外のにも「絆会話」など、キャラクター同士の交流もしっかりと作っており、原作ファンなら必ずやっておきたいところです。
ファイアーエンブレムに爽快感を足してみました。
基本操作は三国無双と同じであり、操作性もかなりよくできています。三國無双をベースにしているだけあって、プレイヤーの思うとおりに、キャラが動いてくれます。
シミュレーションのFEだから、爽快感がなくなると危惧していましたが、その心配は無用であり、爽快感バッチリです。
ジャンプ→緊急回避
変更点はジャンプが省かれた代わりに、緊急回避・ダッシュが追加されています。もともと三国無双でもジャンプする機会は少なかったため不都合はありませんでした。逆に緊急回避で攻撃を途中で止めることもできるため、より一騎当千しやすくなっています。
騎乗キャラ・飛行キャラは絶対に降りません
三國無双でも馬に乗ることができましたが、基本は降りて戦っていました。
ではFE無双でもファミコン版と同じように、騎乗キャラ。飛行キャラも降りるかというと降りません。むしろ人馬一体となって敵と戦います。彼らは絶対に降りません。
攻撃モーションもしっかり考えられているので、他のキャラクターと同じように無双できるので、心配しないでください。
ファイアーエンブレムの要素をトコトン詰め込みました
プレイしていなければ誤解するのですが、ただFEのキャラクターを出すだけではなく、FEの要素をうまく入れています。まったく別のゲームをコラボしているため、非常に多くのシステムが追加されています。
三すくみ・特効
剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い。FEでおなじみの三すくみが取り入れられています。
斧を使う「リズ」は槍の敵に強いため、簡単に敵を倒すことができます。逆に敵が剣であれば苦戦します。
またシリーズ伝統の「アーマーキラー」などの特効もあります。そのため苦手な敵を避けながら、得意な敵を狙う必要があるためシミュレーションの要素があります。
味方への指示
これまで三国無双では1人のキャラクターしか操作できなかったため北から南へ、東から西へプレイヤーが駆け回る必要がありました。
しかし今作では別のキャラクターに指示することができるようになりました。そのため敵の増援に対して、そちらに向かうに指示を出せはいいわけです。
指示出しに専念する、「軍師モード」もあります。
ダブル・キャラクターチェンジ
今作では三すくみがあるとすると、苦手な敵は倒せないじゃないかそう思う人もいると思いますが心配無用です。なんと操作キャラを変えられます。
味方同士で「ダブル」というペアを組むことによって、一緒に行動することができ、必要に応じてキャラクターの入れ替えができるのです。
またダブルでペアを組んでいなくても、操作キャラを変えることができるので、先ほど指示を出したキャラクターを操作キャラとすることで、自分で敵を倒すこともできます。
武器の強化「錬成」・武器交換
FEでは武器を交換することができました。今作でも同様に武器を交換してキャラクターを強くすることができます。
しかも武器に特性を付与する「錬成」もできるため、1つの武器にアーマー特効・飛行特攻など、特効の特殊効果を多数付与することも可能です。
キャラクター強化(クラスチェンジ・紋章)
おなじみのクラスチェンジも用意されています。そしてグラフィックも別に用意されています。グラフィックはただ作るだけでなく、バグ・エラーのチェックもかなりかかると聞いたことがあります。
それを敢えてクラスチェンジ前後で分けているため、とんでもなく時間と金がかかっていることがわかります。
そして「紋章」という集めた素材でキャラクター強化するシステムもあり、やりこみ要素としてはかなり奥深くなっています。
ファイアーエンブレム無双独自のアクションはこれです
私が最後にやった三國無双は「7」ですが、追加アクションがいくつかあります。
覚醒
覚醒ゲージがたまると「覚醒」を発動することができ、一定時間全ての敵に対して三すくみが有利になり、最後に覚醒奥義を放ちます。
その「覚醒」の恩恵が大きいのが「FE暗黒竜と光の剣」から参戦の「チキ」です。もちろん人型でも戦えますが、全ての兵種に対して少し不利です。
その代わり覚醒するとかなり強くなります。原作再現のマムクート(ドラゴン)になり、敵を容赦なく薙ぎ倒しておきます。でも「覚醒」しても竜特効に弱いです。
無双奥義・デュアル奥義
三國無双でもありました無双奥義ですが、今作では自分で操作せず、カットインムービーによる範囲攻撃となっています。そのムービーも出来がかなりいいため必見です。
その他
他にも追加アクションはたくさんあります。「ダブル」を組んだ仲間が援護してくれる「デュアルアタック」「デュアルガード」、三すくみを活かしたスタンゲージなど、本当に考えられています。
原作が2Dの マルスもシーダもバッチリ作り込まれてます
今作はFEシリーズのキャラクターが集まったお祭りゲームです。参戦キャラクターに賛否両論がありました。そのあたりの良い点と悪い点を書いて行きましょう。
グラフィックをしっかり作っている
参戦キャラクターを絞っただけあって、グラフィックも1人1人作ってあり、原作のファンも納得するできになっていると思います。
もともと原作の多くが2Dであり、それを違和感なく3Dにして、しかも無双ゲームの処理に合わせて画質抑えなくてはならない。これは相当大変であったと思います。
三すくみとストーリーの良さを維持できた
このFEシリーズの三すくみを維持するのも大変だったと思います。単純な人気投票で参戦キャラクターを決めてしまったら、剣キャラクターだらけとなり三すくみが成り立たなかったでしょう。
また主人公・ヒロインだけではキャラ個性がかぶりやすくなり、ストーリがつまらないだけでなく、キャラ改悪につながったでしょう。
参戦キャラクターに偏りが多い
様々な理由があるにしても、かなり参戦作品に偏りがあります。好きな原作が出なかったファンには残念でしょう。
攻撃モーション
攻撃モーションは良いキャラと悪いキャラに分かれました。優遇キャラ・強キャラとかそういう問題ではなく、天馬・槍キャラが全員同じモーションだったのです。
剣キャラはもっとも数が多く、設定もあったため仕方ないと言える。しかし天馬だけ同じ槍キャラということもあり、全員がほぼ同じであったのは驚きました。
しかもDLC抜きでは槍キャラは全員同じモーションとなるため、さすがにここは手抜きと言えるでしょう。
DLC
昨今のゲームに漏れず、今作もDLCがあります。内容は追加キャラと・追加マップ・追加衣装です。
DLCなしでも兵種の偏りを抜けば、十分なキャラクター数であり、やりこみ要素もかなりあるため、十分にゲームを楽しむことができます。
1つ単体で購入すれば1,400円ですが、3つまとめて購入すれば3,000円と安くなり、スイッチDLCの相場になります。
もし好きなキャラの参戦・追加衣装などがあれば、購入の価値はあると思います。
まとめ 悪い下馬評を覆して、無双ゲームに傑作が生まれた
これまで様々なことを書きましたが、かなり作りこまれています。
プレイ前では
・無双なのにPS4より処理能力が低いスイッチ
・水と油を混ぜる挑戦作
とかなり悪い期待でしたが、それを見事打ち破りました。
もちろんすべてが良いわけではなく、悪い点もあります。しかし処理能力を優先するか、画質を優先させるか、オプションで選ぶことができるなど様々な点でスタッフの努力がわかります。
私は無双を虎牢関の呂布が強い2からやっており、正直に言うと飽きていましたが、非常に楽しむことができました。
当たり年の2017年の中でも是非やってほしいゲームです。