ゼノブレイド2

ゼノブレイド2 なぜシンはニアを殺さなかったのか?

Jin last answer

9章でシンがマルベーニと決着をつける直前に、ニアがシンと会話する最後のシーンがあります。

ニア「何で、レックスたちのとこに行ったアタシを殺さなかった?」

シン「悪くないだろう、信じたドライバーのブレイドになることは。かつても俺は・・・」

そう言って自分のドライバーであるラウラをはじめとした過去の仲間に思いをはせます。そして自身の最後の力を振り絞り、因縁の仇であるマルベーニを倒します。

シンの答えは間接的であり、少しわかりにくいかもしれません。しかしシンの過去の回想、シンの行動を読み解くとおぼろげながら浮かんできます。

答えだけ先に書くと、シンはニアを裏切り者と考えておらず、逆にニアがドライバーと巡り合えたことを祝福していたのです。

ニアは裏切り者?

1章でニアはイーラから離脱し、レックス達と同行するようになりました。イーラのメンバーはホムラを確保するためにヨシツネをはじめ、様々なメンバーがレックス達の前に立ちはだかります。そのたびにニアはイーラのメンバーから裏切り者と責められます。

実際にニアは1章でメツを邪魔して、ホムラの確保を妨げました。ニアの心情はわかりますが、裏切り者と呼ばれても仕方ありません。

しかしシンはニアを一度も裏切り者と呼んだことはありませんでした。一番登場シーンが多いにも関わらずです。3章でヨシツネがニアの位置を補足し、ニアの扱いを聞いたときにも
シンは「お前の好きにしろ」としか言っていません。またシンとニアが再会した際にも特に何も言いません。

シン以外のイーラのメンバーは全員ニアを裏切り者と呼ぶシーンがありますが、逆にシンには一度もありません。この対比が1つ目のポイントです。


ついに6章ではレックス達がシンに圧倒され、ニアも含めて全員組み伏せられました。裏切り者を始末するなら絶好の機会です。しかしシンはニアのことなど目もくれませんでした。

シンにとってニアは保護した雛鳥だった。

シンとイーラのメンバーの関係性

シンとイーラのメンバーはどのような関係でしょうか。これについては回想シーンを見れば2つに分類することができます。

1つ目は世界を滅ぼす同志(メツ)
2つ目はシンが保護したメンバー(メツ以外)

シンはラウラを失い生きる目的を失っていた時にメツと再会し、世界を滅ぼすという目的に活動を始めました。シンにとってメツは間違いなく世界を滅ぼす同志です。

9章で2人が分かれる際の抱き合うムービーでその絆を感じ取れます

しかしメツ以外は自分が保護していたメンバーでした。再会したサタヒコ、アーケディアに追われ・捕まったニア・ヨシツネ・ベンケイ。全員居場所はありませんでした。

シンのドライバーであったラウラは10歳の時から傭兵として活動しており、昔の自分と同じく居場所のないサタヒコを保護しました。それと同じようにシンも居場所のない彼らに居場所を与えたかったのでしょう。

極端に言えば里親と里子みたいな関係だと思います

ニアに対するシンとメツの違い

もしシンが保護したニア達を同志と考えていたなら、シンが命令を出すシーンがあってもおかしくはありません。しかしシンが命令するシーンはほとんどありません。組織としてこれは不自然です。

実際に普通なら複数人で作戦立てるはずの輸送船の強襲やユーディキウムのアルス兵器を強奪も全て単独行動です。(それを成功させるシンが異常でありますが・・・)

さらに6章でレックス達を圧倒するシーンでもあえて、メツには手を出させず1人で戦っています。

基本的にイーラではシンはメンバーに命令せず、ほとんどはメンバーが自主的に行動しているようです。

シンガ命令したシーンは、8章でベンケイに砲撃中止を命じたくらいです

逆にメツはニア達を同志と考えていたから、命令を出すシーンが何度もあります。シンが命令しないのと非常に対照的です。特に1章のホムラを持って帰るシーンでメツがニアにサルベージャーの皆殺しを命じています。

メツの命令がニアの離反につながったのはなんとも皮肉です

シンにとってニアは世界を滅ぼす同志ではなく・・・

これまでのシンの情報をまとめると下記のようになります。

・ニアを裏切り者と呼んでいない

・シンがイーラのメンバーに命令するシーンもない

これを前提に考えると、シンにとって、ニア達は世界に居場所がなかったから保護しただけであり、世界を滅ぼすための同志・戦力ではないと推測されます。

つまり前提として同士・戦力と考えていないのだから、ニアの離脱を裏切りと考えるのが間違いと言えます。

まとめ・ニアの巣立ち

シンはニアを裏切り者とは考えていなかったことがわかると、シンの回答で裏切りに対して、何も言わなかったことの理由がわかります。

そしてニアがブレイドであることを知っているからこそ、「悪くないだろう、信じたドライバーのブレイドになることは。かつても俺は・・・」のセリフにつながります。

シン自身もイーラ最強と言われたブレイドであり、17年間ドライバーのラウラと共に過ごしてきました。

その絆は追加シナリオのイーラ編で色濃く表現されており、ドライバーと共に過ごす時間の素晴らしさ・尊さをシンは一番よくわかっています。

だからニアに対して雛の巣立ちを祝福するように、信頼できるドライバーと出会えてよかったなと祝福しているのです。

ゼノブレイド2の裏の主人公であるシン。彼の優しさがにじみ出る名シーンです。